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2011年7月 1日 (金)

白雲抱幽石

(はくうんゆうせきをいだく)

山深い峡谷に湧き出でる白い雲が、
幽玄な巨石の山肌を静かに包み込んで行く。
その壮大な天上の光景から、深い慈しみさえ伝わってくる。

『寒山詩』
重巌我ト居   重巌に我れト居す
鳥道絶人跡  鳥道人跡を絶す。
庭際何所有  庭際何んの有る所ぞ、
白雲抱幽石  白雲幽石を抱く。
住茲凡幾年  ここに住むことおよそ幾年、
屡見春冬易  しばしば春冬のかわるを見る。
寄語鐘鼎家  語を寄す鐘鼎(しょうてい)の家、
虚名定無益  虚名定まらず益無し

幾重にも岩山が重なる山深い峡谷に、わたしは居を定めた。
鳥だけが訪れ来るような山中の険しい道は人の足跡もない。
自然の中にいて庭といえるのならば、
向こうにそそり立つ岩を包み込む 白い雲の幽邃な景色である。
ここに住み、どれほどの年になろうか
幾度となく春から冬へと移り行く季節を見てきた。
ひと言申し上げるなら、豪奢な暮らしをする人々の世は、
名声や栄華は、移ろいやすく、心虚しく用をなさぬ儚いものである。

白雲抱幽石、 (白雲は幽石を抱き)
綠篠媚清漣。  (緑篠は清漣に媚ぶ)   南朝宋の謝靈運(384~433)の詩「過始寧墅」

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